抗てんかん剤投与、運転の適否は「医師が判断」
添付文書改訂へ 安全対策調査会で了承
薬事審議会(厚生労働相の諮問機関)の安全対策調査会は、抗てんかん剤5剤の添付文書を改訂することで合意した。関係学会の留意事項に基づき、医師が薬剤の投与中の患者の状態に応じて自動車運転などを行うことの適否を判断できるよう見直す。投与中は一律に自動車運転などに従事させないとする現在の記載は削除する。厚労省は今年度中の関連通知の発出を目指す。
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対象となるのは、てんかんのけいれん発作や統合失調症の興奮状態などに効能・効果がある「カルバマゼピン」「バルプロ酸ナトリウム」「ラモトリギン」「ラコサミド」「レベチラセタム」の5剤。これらは向精神薬に分類され、眠気や注意力、集中力、反射運動能力などの低下といった中枢神経系に影響を与える副作用を起こすことがある。
そのため、添付文書の「使用上の注意」の「重要な基本的注意」の項では、「薬剤を投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること」とされている。
しかし日本てんかん学会は、これら5剤(経口剤)を服用している患者が自動車運転などを行えるよう添付文書の記載内容の見直しを要望している。また、5剤の国内での副作用報告は、経年的に見ると大きな変化はなく、厚労省は「特段の安全性上の懸念は認められない」としている。
道路交通法の規定では、患者の症状や服薬遵守の状況、副作用などを医師が検討した上でてんかん患者ごとに運転の可否を判断しており、実態としててんかん患者は抗てんかん剤の服用中も運転を行っている。また、欧州や米国での5剤の添付文書では、服用中一律に自動車運転を禁止しているものはない。
こうした状況を踏まえ、厚労省は28日の安全対策調査会で対応方針案を提示。てんかんに伴う各種発作に関する効能・効果として5剤を使用する場合、投与中に一律に自動車運転などを制限するのではなく、学会の留意事項に基づき、医師が個別の患者の状態に応じて自動車運転など危険を伴う機械を操作することの適否を判断できるよう添付文書の記載を改訂することを提案し、了承された。上部組織の部会でも了承されれば、厚労省は2025年度中に関連通知を出す。併せて、日本てんかん学会の留意事項を基にした資材の作成を医薬品メーカーに求める。
医療介護経営CBnewsマネジメント
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